【中断経験談・前編】初期研修医が抑うつ・辞めたいと思った時の流れ

記事にプロモーションが含まれる場合があります。

初期研修、思っていたより辛すぎる・・・

長かった学生時代が終わり、研修が始まってはや数ヶ月。思っていた以上につらい。しんどい。
休日なんてないに等しいし、趣味も何も楽しめなくなってきた。

この記事にたどり着いたあなたは、そう感じているかもしれません。
かつてのわたしもそうでした。
ここでは実際の経験から、初期研修をどのように乗り越えたかお伝えします。

研修医の先生の中には抑うつで頭がまわらず、あまり考えられなくなっている場合もあるので、時系列順に経験談を載せていきます。
悲しい事件はもう2度と起きてほしくない・・・この記事の通りに進めていけば、取り返しのつかない事態を避けられるかもしれません。

経験談① 食事や睡眠など身体のSOSをとらえる

わたしが最初に「おかしいな・・」と感じたのは、麺類をすすった時に輪ゴムのように感じたことでした。

振り返ればこれも症状のひとつかもしれませんが、
急いでコンビニで買うものを決めないとならないのに、商品の前でぼーっと突っ立ったまま、頭がまわらず何も決めることができないということが多くありました。

そしてやっと決まりいざ食べるという時、あまりに味気ない。輪ゴムのような噛みごたえだけは感じました。
調味料はもちろん、きちんとかかっています。
当時の食感の気持ち悪さは、今でもよく覚えています。

当時は睡眠時間も4時間程度で目が覚めてしまい、週1以上ある全科当直では2時間寝られれば嬉しいという状況でしたので、わたしの中では圧倒的に睡眠不足の日々でした。

もっと激務の中で働いている医師もいるでしょうし、それでも別に平気という医師もいらっしゃると思います。
現在わたしは別の勤務先で充実した医師生活+αができており、単に病院の「合う合わない」の問題だと考えています。
つまり、当時の自分や読んでいただいているあなたに伝えたいのは、「弱いとか、根性の問題では絶対ないよ!」ということです。自分だけは自分の味方でいてね・・!!

経験談② 家族や周囲の助言で精神科に行く

同期は同じ業務をそつなくこなしているのに、自分はダメなやつだ。。。

そんなふうに、かつてのわたしも思って自分を責めてしまっていました。
同期から「疲れてる?」と聞かれることが多くなり、家族からも一度精神科を受診するように勧められました。

仮にも医師の自分が、患者として精神科のお世話になるなんて・・・

心理的ハードルはかなり高かったことを覚えています。
それでも自分の体調は下がっていく一方で、うつ病の友人(非医療系)の経過を知っていたこともあり、早めに手を打たないと戻れなくなると感じ、精神科を探し始めました。

初診予約の取れないこと、取れないこと!
田舎だったこともあり、電話の時点で断られたり1ヶ月待ちだったりと、もう電話で問い合わせること自体が相当しんどい状態でした。

みかねた夫も協力してくれ、市外で比較的すぐ診てもらえる精神科を受診することができました。
主治医の先生も優しく傾聴・共感していただき、結果的に3ヶ月の休職となりました。

経験談③ 体調は回復、90日ルールを知り転職活動を始める

職場から物理的に離れることで、比較的すぐ体調が回復したわたしは、休職2ヶ月目くらいから転職活動を始めました。

というのも、初期研修医には俗にいう「90日ルール」というものがあり、2年間の研修の中で休暇日数が90日を超えなければ、初期研修期間を延長することなく修了できるというのを知ったからです。

これを知った時、休職の時点で研修延長(≒留年)を覚悟していた自分としては、どうにかして休みを90日間までにして復帰したいと思いました。そこから、ひたすら臨床研修病院を探しては連絡する日々が始まったのです。

もちろん、転職活動は体調回復したことが前提です。
わたしはやや焦ってしまったこともあり、かなりギリギリの橋を渡ったと思っています。
おすすめしません。

勤務していた病院からは勤務条件を緩めてもらい復職する提案もされましたが、バリバリの臨床研修病院の中で一人だけ、そのような特別扱いをしてもらう気にはなれませんでした。

緩めるというのはあくまで口約束でしたし、毎月のように替わる指導医に正確な情報が伝わり配慮されるとも思えません。
今振り返っても転職をしたことは間違っていなかったとはっきり思います。

前編のまとめ

長くなりそうですので前編はここまで。後編はまた後日公開します。

前編で伝えたいことは、

・壊れそうだという自覚が多忙で消える前に、自分を守るために動け
・本当に自分の体を守れるのは自分だけ

ということです。

思っている以上に自分の市場価値は高いし、その勤務先以外でも働ければ日本のためになるし、
何よりどうにもならないと思っても意外と「代わりがいる」のです。

初期研修を終えた今なら、そんなの当然と思うのですが、当時は本当に自分を追い詰めてしまっていました。指導医から、患者からの一言に神経質になり、若手だから勉強になるからという理由で、キャパ以上のことを連日やらされ、もちろん男尊女卑やハラスメントの巣窟。

もう少し、動くのが遅かったら手遅れになっていたかもしれません。
うつ病で長期の治療が必要になり、初期研修を終えることができなかったかもしれません。

あなたはそうならないで!もしなりそうなら、自分を守るために動く勇気を持ってくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました